研究内容(高ベータ・MHDチーム)

研究課題(こちらも見てね)
# MHD(電磁流体力学的)平衡・安定性に関する研究(詳しくはこちら )
磁場によりプラズマは、狭い領域に「閉じ込める」ことができるが、プラズマは荷電粒子の集まりなのでプラズマ自身が運動すると磁場ができ、閉じ込め磁場を変形させたり、破壊したりする。高い圧力のプラズマを安定に長時間閉じ込める方法に関する研究。プラズマや磁場の容器がゆがんだり、揺れたりする様子を観測し、その物理機構の探求やゆがみや揺れを抑制する手法を研究する。
# 高ベータ化(プラズマ閉じ込めの効率化)に関する研究(詳しくはこちら )
磁場閉じ込めプラズマは、磁場の圧力(磁気圧)によりプラズマを閉じ込める。核融合反応を起こすためには、高い圧力のプラズマを閉じ込める必要がある。ベータ値は「閉じ込められるプラズマの圧力」に対する「閉じ込めるために必要な磁気圧」の比のことで、ベータ値が高いほど、低い磁場で高い圧力のプラズマを閉じ込めることができるので、効率的な核融合炉を作ることが可能になる。しかし、高い圧力のプラズマは壊れやすかったり、逃げやすかったりする。本課題では、大型ヘリカル装置で高いベータ値のプラズマの生成法を開発したり、実際に核融合炉を作った時の炉心プラズマ性能を予測するための予測モデルを構築する。
上級者向け(LHDにおける高ベータ放電と関連する物理課題[PDF形式])


研究課題の位置づけ

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核融合炉研究は大きく分けて、「炉心プラズマ研究」と「炉工学研究」に分けられます。「炉心プラズマ研究」は、更に狭い意味での「炉心プラズマ理工学」と「プラズマ加熱理工学」に分かれ、本研究室の研究課題は、前者に関するものです。
  核融合炉の炉心プラズマは、石油をくみ出す「ポンプのエンジン」に例えることができます。「ポンプのエンジン」は、自分でくみ出した石油を使って動き、石油をくみ出します。「ポンプのエンジン」の効率が悪いと自分でくみ出した石油だけでは、石油をくみ出し続けることができません。効率が良いエンジンを作ることにより、石油をくみ出し続けることができ、且つ他の用途に石油を使うことができるようになります。核融合炉の「炉心プラズマ研究」は、石油をくみ出す効率の良い「ポンプのエンジン」を開発することが最終的な目標となります。

「炉心プラズマ研究」は理学と工学の中間両方の魅力を兼ね備えている。(高温高密度のプラズマの性質を理解する。核融合発電炉を作る。)核融合研究所の研究者の3分の2くらいが工学部出身、3分の1くらいが理学部出身。
#物理学; 何故・理由を探求し、理解(法則化・一般化・普遍化)する。
#工学; 発見された現象、法則を利用して、人間にとって役にたつように形にする(製品を作る)。

 

これまで指導した学生の研究課題(総合研究大学院大学以外は共同研究)

1) 修士論文「大型ヘリカル装置における中性粒子ビーム入射加熱時のプラズマ電流解析」
(京都大学、1999年度修了)
2) 博士論文「LHDにおけるECE計測とプラズマ輸送解析への適用」(総研大、2000年度修了)
3) 博士論文「磁気計測による3次元配位のMHD平衡量同定」(総研大、2005年度修了)
4) 博士論文「ヘリオトロンJプラズマにおける非誘導電流に関する研究」(京都大学、2007年度修了)
5) 修士論文「トロイダルプラズマにおける電流消滅時のプラズマ応答」(名古屋大学、2008年度修了)
6) 修士論文「ダイバータ・ストライクポイント分布に対する粒子の軌道と衝突の影響」(総研大、2009年度5年一貫2年終了)
7) 博士論文「大型ヘリカル装置の高ベータプラズマにおける高エネルギー粒子の軌道と速度分布関数に関する研究」(北海道大学、2009年度修了)
8) 修士論文「大型ヘリカル装置(LHD)における低次MHD不安定性の研究」(京都工芸繊維大学、2009年度修了)
9) 博士論文「トカマク型核融合装置における電流消滅時のプラズマ応答に関する研究」(名古屋大学、2012年度修了)
10) 卒業論文「磁気面が崩壊・消滅する境界の変化のベータ値特性」(京都大学、2012年度修了)



 

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